自由学園教育における「食」の位置づけ
創立者羽仁吉一・もと子は「食の営みにかかわること」は人間教育には不可欠なことと考え、自由学園は創立以来、食事の時間は礼拝の時間と共に大切な時間とされてきました。食の学びは「調理し、食する」という行為のみではなく、「食の営みにかかわる全てのこと」が自由学園の教育の標語である「思想しつつ生活しつつ祈りつつ」を身につけるための大切な要素として、日常生活の色々な場面が「食の学び」とされています。
食の大切さを学ぶと共に、食の営みを通して人として欠かすことのできないことを学ぶことは、自由学園の教育理念である「生活即教育」にとり極めて大切な人間形成の要素であると考えています。
一貫教育の中で培われる食の学びの目標
「食の学び」の目標が「一人ひとりが社会に出てから、自律をした食生活を営み、質の高い生活ができること」にあることを再確認して、そのことを幼児生活団から初等部、男子部、女子部、そして最高学部までの一貫教育の中で着実におこなえるよう、2005年度より「87年にわたって継続をしてきた食の学びの価値を更に高める」ため、次の3点をテーマに活動してきました。- 創立者の言う「日用の糧を今日も与えたまえ、という願いと感謝の気持」が基にある、良い食習慣を身につけること
- 日常食しているものと、自分の身体と心の健全な発育との関係を知ること。
- 多様化する食品や食材に対して、年令に応じた関心を持ち、食材を通して自分の食と社会のつながりを学ぶこと。
キャンパスの中央にある食堂
創立者の教育理念に共鳴した建築家フランク・ロイド・ライト (1867-1959) が設計をした開校当初の校舎 (現・明日館 重要文化財 豊島区西池袋) は、食堂が校舎に囲まれるようにして配置されています。その後建てられた校舎も食堂がキャンパスの中央に位置しています。このことは自由学園が標榜する「生活即教育」では、日々教師と生徒が食事を共にする時間と空間を、人間教育の大切な機会と考えているひとつの現われです。